アメリカに引っ越してきたばかりの方や留学、赴任で滞在する方にとって、銀行口座の開設は重要なステップです。
ここでは渡米直後、つまり社会保障番号(SSN)をまだ取得していない状態でのアメリカでの銀行口座開設方法を解説します。
アメリカで銀行口座を開設するメリット
- 家賃や公共料金の支払い
- 給与の振込み
- 現地でのキャッシュレス決済(デビットカードやクレジットカード)
- 海外送金の受け取りや送金
- デビットカードの作成
- ATMでの現金引き出し
- 日本の銀行と比較して金利が高い
などがあります。長期で生活するためには必須ですよね!
アメリカの銀行口座は2種類
アメリカの口座は大きくCheckingとSavingの2種類に分けられます。
Checking account(チェッキング・アカウント)
日本の普通口座に相当します。
日常的な出入金・支払い用の口座として、家賃や公共料金、クレジットカード等に使います。
利子はほとんど付きません。
引出しは自由で、ATM・デビットカード・チェック(小切手)・Zelleなどを利用できます。
銀行によっては、使用条件を満たさないと月額手数料がかかります。
Saving account(セービング・アカウント)
貯金をするための口座です。
金利は大手銀行で0.01%〜0.05%、オンラインバンクで4%前後と、銀行によって大きく変わります。
基本的にはATMでの引出しによる利用になりますが、Checkingと比べてATMの引き出し回数の制限などがあります。
小切手・デビットカードは基本的に使用できない、または制限があります。
その他の口座
日本の定期預金にあたる、Certificate of Deposit(CD:譲渡性預金証書)やHigh-Yield Savings Account(高利回り普通預金)といったものもあります。
CDは預入期間は数か月~5年で、金利は4-5%(期間に関連)です。
中途解約は原則不可で、早期解約にはペナルティが課されます。
FDIC(連邦預金保険公社)により$250,000まで保護されます。
High-Yield Savings Accountは、正確には定期預金ではありませんが、利率が高く、資金の流動性も高いことが特徴です。
定期預金ではないので、利率は変動します。
とはいえ、渡米直後にまず開くのは、生活費に使うChecking account(チェッキング・アカウント)ですね!
銀行の種類と選び方
アメリカの銀行の種類
- ナショナルバンク(National Banks)
- 地域銀行(Regional Banks)
- オンラインバンク(Online Banks)
- クレジットユニオン(Credit Unions)
などがあります。
「ナショナルバンク」は、全米規模で支店があり、大手銀行として信頼性の高い銀行です。
特に初心者や外国人にとって安心感があります。
アメリカの4大銀行であるChase、Bank of America、Wells Fargo、City Bankが挙げられます。
サービス内容はChecking、Saving、ローン、投資など総合的な銀行です。
支店・ATM数は全米各地に豊富にあります。
「地域銀行」とは、特定の州や地域に特化している中堅銀行です。
例えば、PNC Bankはペンシルベニア中心、TD Bankは東海岸中心、Region Bankは南部中心です。
地域密着型で、住宅ローンや地元の企業との取引が強いことが特徴です。
支店数は州または地域内が中心です。
サービスはナショナルバンク同様、基本的な金融サービスを提供していますが、モバイルアプリなどは機能的にナショナルバンクより劣ることがあります。
「オンラインバンク」とは、支店を持たず、ネットとアプリで全て完結する銀行です。
銀行としては、Ally Bank、Marcus by Goldman Sachs、Discover Bankなどが挙げられます。
低コストで運営しているため、高金利(Savingで4-5%も)&低手数料が魅力です。
手数料は基本無料または低コストですが、対面サポートがなく、現金入金が少し手間というデメリットもあります。
「クレジットユニオン」は、地域住民・職域など「メンバー制」の協同組織型金融機関です。
営利目的ではないため、金利が有利/手数料が少ないことが多いです。
職場との関係や給与振込の可否、住む地域や周りの支店などの状況にもよりますが、最初に口座を開くのはナショナルバンク(Chase、Bank of America、Wells Fargo、City Bank)が無難です。
銀行の選ぶポイント
銀行を選ぶポイントは、
- 支店・ATMの数とアクセス
- 口座維持手数料(無料条件の有無)
- アプリ・オンラインバンキングの使いやすさ
- 新規口座開設時の特典
などです。
注意しなければならないのは、銀行によって口座維持手数料がある、ということです。
例えばChaseの場合
- ネットワークを通じて500ドル以上の入金がある。
- 口座に1500ドル以上の残高がある。
- 口座とリンクしているChaseの他の口座と合わせて5000ドル以上の平均残高がある。
のいずれかが条件になります。
この条件を満たさない場合、12ドルの口座維持手数料がかかります。
そしてアメリカ特有なのが、Checking accountの開設でウェルカムボーナスが手に入るというところです。
2024年12月現在、上記の4大銀行ではいずれも、条件を満たせばChecking accountの開設で300ドルのボーナスがもらえちゃいます。びっくりですよね!
銀行によって条件が違う(開設後の入金額など)ので、確認しておきましょう!
SSNがない状態でもボーナスは適用されますが、申請しなければボーナスは獲得できません。
申請については各銀行のホームページに明記してあります。
開設時に忘れずに申請しましょう!
口座開設の大まかな流れを把握しよう
口座開設はIn-Person(直接銀行)で開設する方法とオンラインで開設する方法があります。
渡米直後にSSNを取得していない場合はIn-Personで開設しなければなりません。
SSNを取得している場合はどちらでも開設可能です。
銀行を予約する
予約なしで銀行に直接行って口座開設も可能ですが、待ち時間が長くなります。
各銀行ではホームページから予約ができるので、日時を指定して予約しましょう。
Bank of Americaの場合、「Schedule an Appointment」をクリックして、「Open a new account」から予約できます。
必要書類
- パスポート
- ビザ
- 現住所の証明書(リース契約書、公共料金の請求書など)
- 初回入金費用
SSNなしでも口座開設はできますが、SSN取得後は再度アポイントを取って、店舗でSSNの登録をする必要があります。
補足
口座開設のときにもうひとつ行っていた方がいいのはジョイントアカウントの作成です。
ジョイントアカウントとは、2人以上が共同で所有する銀行口座のことです。
主に夫婦や家族が共同で口座を管理する際に利用されますが、友人や知人同士でも開設可能です。
メリットとしては口座の資金などを共有できるという点もありますが、共同口座を作ることによって、配偶者の住所証明となる書類を作成できる、という点が大きいです。
この書類は配偶者が免許を取得する際に役立ちます。
車の運転免許所を取得する場合、住所を証明する書類が2つ必要となることがあります。
配偶者が働いていなかったり、SSNを持っていない場合、アパートの契約書以外にこの書類を準備できない場合があります。
ジョイントアカウントを作成することで、住所を証明する書類も作成し、免許の取得に備えておきましょう。
まとめ
銀行や口座の種類、開設までの流れや必要書類を解説しました。
アメリカの銀行には、口座維持費やウェルカムボーナスなどの特有の特徴があるので、口座開設前によく確認して、これらをうまく利用しましょう!
銀行によって条件が違うので、注意しましょう。
みなさんがスムーズに開設してボーナスがもらえますように!