車社会のアメリカでは、日本ほど交通インフレが整っていないため、旅行先で車を運転した方がいい場合が多々あります。
アメリカの車のルールは日本と大きく違うため、大きな事故やトラブルに巻き込まれる可能性があります。
これを防ぐためにも、旅行前・運転前にアメリカの運転のルールや交通の特徴を把握しておくことは重要です。
今回はアメリカの車のルール・注意すべき点などについて、丁寧に解説していきます!
国際運転免許所の取得
国際運転免許証とは、「日本の運転免許証を持っている人が、外国(ジュネーブ条約締約国)で運転するための運転免許証」です。
国際運転免許証の有効期間は発行日から1年間で、更新制度はありません。
この国際運転免許証は免許証と書いていますが、実際には免許証の翻訳文書として機能します。
つまり、アメリカで運転するには日本の免許証+翻訳文書(国際免許証)が必要です。
このため、国内運転免許証が失効してしまうと国外運転免許証も効力を失うので、注意しましましょう。
国際運転免許証は指定された運転免許試験場・センター、警察署で簡単に取得できます。
ハワイやグアムでは国際運転免許証なしで日本の免許証だけで良いとされていますが、事故などの際に現地警官が日本の免許証を理解できない場合もあるので、国際免許証取得が強く推奨されます。
レンタカーを利用する場合の注意点
アメリカでレンタカーを借りるには年齢が20歳以上である必要があります。
25歳未満の場合は追加料金がかかります。
レンタカーに必要なものは日本の免許証、国際免許証、クレジットカードです。
最近ではハーツ、ダラー、エイビス、バジェットの4社が無料で免許翻訳サービスを行っており、オンラインで簡単に取得できます。
ただし、先にも触れたように、事故などの際に現地警官が日本の免許証を理解できない場合もあるので、可能であれば国際免許証を取得しておきましょう。
レンタカー会社の比較や加入する保険については別記事で紹介する予定です!
基本的な交通ルール
左ハンドル、右側走行
アメリカでは日本車もアメリカ車も左ハンドルでセットされています。
走行は右側走行で、特に左折の際に間違えやすいので注意しましょう。
右折は手前、左折は奥!
ウインカーとワイパーは日本と逆(外車の場合は同じ)です。
速度はマイル表示
アメリカでは道路ごとに制限速度が設定されており、表示はすべてマイル表示です。
1マイルは約1.6kmです。
制限速度50マイルの場合は1.6倍の約80kmなので、大まかな値は頭に入れておきましょう。
赤信号でも右折可能
アメリカでは基本的に赤信号で右折できます。
個人的にはアメリカの交通ルールの中で一番好きなルールです。
ただし、信号の横に「NO TURN ON RED」と記載されている場合は、赤信号のときに右折できないので注意しましょう。
路上駐車は禁止
アメリカでは路上駐車は禁止です。
路上に駐車している車をよく見かけますが、よく見ると路上のパーキングメーターを使用しています。
アメリカで駐車できるかどうかを判断するためには、看板・パーキングメーター・縁石をよく見ましょう。
これは看板の例です。
最初はよくわからないですよね。
1番上の赤い看板は、これより手前は駐車してはだめだよ
2番目の緑の看板は、この先は7:00-8:30の月曜から金曜に限り、2時間は駐車していいよ
3番目の赤い看板は、道の清掃のために火曜の12:30-14:30は駐車したらだめだよ
ということになります。
Parkingの横には下の写真のようなパーキングメーターがあり、これを使って駐車料金を支払います。
コインまたはクレジットカードで支払うことができますが、Parkmobileというアプリを持っていれば、それぞれのZone #(下の写真であれば21796)を入力すれば簡単に支払うことができます。
最もややこしいのは縁石です。
これは私も最初はよくわかりませんでした。
アメリカでは縁石に色がつけられており、これらの色には意味があります。
色 | 意味 |
---|---|
緑(時間制限付き駐車) | 短時間だけ駐車が許可されているエリア。 標識や縁石に具体的な時間制限が記載されている場合がある。 |
白(短時間の停車のみ) | 乗降や荷物の積み下ろしのために一時的に停車が許可。 駐車はできない。 |
黄色(商業用車両専用) | 荷物の積み下ろしや商業車両の停車専用エリア。 一般の車は駐車・停車ともに禁止されていることが多い。 |
赤(禁止) | 駐車・停車ともに禁止されているエリア。 多くの場合、消防車専用エリアや緊急車両用エリアを示している。 |
青(障がい者専用) | 障がい者専用の駐車スペース。 利用するには、有効な障がい者用パーキング許可証が必要。 |
違反した場合、ワイパーに封筒に入れられたチケットが挟まれます。
チケット裏面に支払方法が記載されています。
罰金の額は、駐車場所や違反内容によって異なります。
高速道路
アメリカの高速道路は基本的に無料です。
速度は55-75マイル/hで設定されています(一部80マイルを超える地域もあります)。
アメリカでは2車線以上の幹線道路では、1番右の車線が低速走専用となっています。
この車線を利用して追い越しはしないようにしましょう。
田舎では2車線が多いですが、交通量の多い都会では5車線のところなどもあります。
注意しなければならないのは、一部に有料道路があること。
日本と異なり、料金所がわかりづらく、知らない間に有料道路を通行している場合があります。
この場合、管理会社の要請でレンタカー会社が契約に基づき手数料をご登録のクレジットカードから引き落としされることがあります。
ロードトリップをしていると、一定の間隔で事故車を見かけます。
運転が荒いためか、事故も多く、損傷の程度も日本じゃ見ないレベルですよね…
スクールバス
黄色いスクールバスが停車し、横に「STOPサイン」が出た場合は注意が必要です。
この場合、後続車だけでなく、対向車も停止して、バスが走り出すまで待たなければなりません。
飲酒運転
アメリカでは飲酒運転は厳禁です。
非常に厳しく取り締まられており、州ごとに法律や罰則が異なりますが、基本的な基準と対応については全国的に共通する点があります。
事故を起こした場合、保険が適用されなくなる可能性もあります。
同乗者の車内飲酒も違法で、車内に飲みかけのアルコール飲料などがあっても違法となります。
チャイルドシート・ブースターシート
アメリカでは、50全州で12歳以下の子供を車に乗せる際に、適切なチャイルドシートやブースターシートを使用することが法律で定められています。
チャイルドシートの着用義務や基準は州によって異なるため、注意が必要です。目安は次の通りです。
- 乳児:常に後部座席で後ろ向きのベビーシート
- 幼児(1-4歳):後部座席で前向きのチャイルドシート
- 児童(4-8歳):後部座席に子供用のブースターシート
子供は助手席に乗せないようにしましょう!
その他の特徴
アメリカではナビを搭載している車もありますが、多くの人は携帯の地図アプリやナビゲーションアプリを使用します。
よく使用されるのはGoogle MapまたはWazeです。
注意すべきこと
ALL WAY STOP は先着順
十字交差点にはAll way stopがあることがあります。
Stopの下に4-wayやall wayと記載があり、ここでは全方向の車両は一時停止をしなければなりません。
複数の車がこの交差点に入った場合、先に着いた順に進んでいきます。
高速道路の注意点
日本の高速道路と違い、アメリカの高速道路では、入り口からの合流は左右両方あります。
また出口も左右両方あるので、出口が近く(2マイルくらい)なったら、車線を変更して降りる準備をしましょう。
車線変更の際にも注意が必要です。
例えば上の図で、緑の車が車線変更する場合、2レーン右の赤の車が左に車線変更する可能性があります。
逆もしかりです。
車線変更の際には焦らず、余裕をもって周りをみながらするように心がけましょう。
警察に止められたら
速やかに減速し道路の脇に停車して、ハンドルの上に手を置いたまま警察の指示に従ってください。
速やかに停車しない場合、指示なく車外にでた場合は厳罰の対象となります。
事故に遭ったら
事故に遭ったら、まず落ち着いて警察に連絡しましょう。
アメリカでは、警察・消防・救急医療等へ連絡をする場合は「911」です。
一般道なら、公衆電話、フリーウェイならCall Box内の緊急電話を利用します。
ハワイでは日本語の対応も可です。
警察の指示に従い、事故処理番号を忘れずに聞きましょう。
相手がある場合は、氏名、住所、連絡先、車のナンバー、ドライバーライセンス番号、保険証番号を控えましょう。
事故現場や車両の写真も撮るのを忘れないように!
違反したら
違反行為で罰金を科せられた場合は、速やかに現地で手続きを完了してください。
オンラインでの支払いができる場合もあります。
支払いが完了しない場合は、遅延料金が追加されたり、逮捕状が出るなど、再入国の際に問題が起きる可能性があります。
ヒッチハイカーは乗せない
アメリカの法律では、ヒッチハイクは禁止されています。
トラブルや危険のもとになりますので絶対に乗せないようにしましょう。
車上あらしに注意
車の中に個人の所有物を置いたまま車を離れないようにしましょう。
最近では車の窓ガラスを割らずに、中の物だけ盗まれることもあります。
私の友人は鞄を車に置いたままにして、鞄だけ盗まれました。
アメリカで実際に運転して思ったこと
- アメリカのドライバーは基本的に優しい。
- 歩行者に優しい。
- 踏切は止まらない。
- 黄色信号は日本より長いので、意外とすべりこめる。
- 高速道路はスピードを結構出しているのに車間距離は狭い。
- 中央分離帯の物売り・物乞いが多い(絶対に関わらない)。
- ガソリンスタンドはほぼセルフ。
- 道が凸凹。
まとめ
アメリカの運転のルールや交通の特徴について解説しました。
日本とのルールの違いはかなり大きいので、順応するのに少し時間がかかるかもしれません。
アメリカの道路は広く、真っすぐのところが多いので、気持ちよくドライブできます!
旅行の際には、アメリカでぜひドライブを楽しんで下さい!