車社会といわれるアメリカでは、生活のために車はほぼ必須です。
日本の免許証と国際運転免許証でもアメリカで運転することができますが、有効期限は1年です。
州によっては、一定期間以上滞在する場合、免許証の取得を推奨しています。
また免許証は身分証明としても使えます。
今回はアメリカで運転免許証を取得する方法について解説します。
日本との違い
年齢
アメリカでは基本的に16歳以上(州によっては14歳以上)で運転免許を取得できます。
銃社会のアメリカでは徒歩での通学は危険なため、スクールバスまたは自動車での通学が許可されており、免許を取得できる年齢も日本より下げられています。
ただし、若年者の運転に関しては、年齢によって運転の条件や制限があります。
実際に若年者の運転も見たことありますが、慣れておらず結構危険なので、みなさんも注意して下さい。
試験の難易度
アメリカでは、日本よりも比較的簡単に運転免許を取得できます。
実は日本の免許制度は世界的に見ても厳しいのです。
視力の基準も、日本よりアメリカのほうが緩く設定されています。
アメリカでは、実技試験に関しては多くの人は教習所に通わず、免許をもつ両親や知人に助手席に座ってもらって練習するのも特徴的です。
費用
日本では教習所に通う必要があるため、約20~30万円の費用がかかります。
アメリカでは、1万円程度で免許取得が可能です。
免許をもつ両親や知人に助手席に座ってもらって練習する場合、ほとんどお金をかけずに練習できます。
教習所のインストラクターに頼む場合でも、400-500ドル/5回ほどで依頼できます。
有効期間
免許証の有効期間は州やビザの種類によって違います。
永住者(グリーンカード保持者)や市民権をもっている場合、運転免許証の有効期間は通常4-8年です。
非移民ビザ保持者(J-1ビザ、F-1ビザなど)の場合、運転免許証の有効期間は、滞在資格書類(例: I-94、DS-2019、I-20など)に記載された滞在期間の終了日までです。
通常、1年~数年程度となります。
滞在資格が切れると、運転免許証も自動的に失効します。
交通ルールの違い
アメリカの交通ルールの特徴については、こちらの記事を参考にして下さい!
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国際運転免許所を取得する方法
国際運転免許証とは、「日本の運転免許証を持っている人が、外国(ジュネーブ条約締約国)で運転するための運転免許証」です。
国際運転免許証は運転免許証の翻訳証明書として機能するもの、つまり日本の運転免許証の翻訳文書です。
国内運転免許証が失効してしまうと国外運転免許証も効力を失うので、注意しましましょう。
国際運転免許証の有効期間は発行日から1年間で、更新制度はありません。
国際運転免許証は、日本国内の指定された運転免許試験場・センター、警察署で簡単に取得できます。
アメリカで運転免許証を取得するまでの流れ
アメリカの運転免許証の取得方法は、州によって大きく異なります。
例えばメリーランド州では、日本の免許証を持っていれば、学科・実技試験を受ける必要はありません。
一方、隣のDCでは学科試験を受ける必要があります。
取得時期については、引っ越しから30日以内に切り替えなければならない州もあるので、早めに切り替えましょう!
アメリカで運転免許証を取得する方法として、日本の免許証を持っている場合と持っていない場合に分けて見ていきましょう。
日本の免許証を持っている場合
日本の免許証と翻訳文書(国際免許証など)を持っていれば、一部の州では学科・実技試験などの新規免許取得者が行うべき手続きの一部が免除されます。
例えば、以下の州では日本の有効な運転免許証を所持している場合、筆記試験と実技試験の両方が免除されます。
- コロラド州
- ワシントン州
- ハワイ州
- メリーランド州
- オハイオ州
- バージニア州
- オレゴン州
一方で、免除のない州もあり、その場合は筆記試験や実技試験を受ける必要があります(試験については後述します)。
お住まいの州のルールを確認しましょう!
日本の運転免許証を持っていない場合
- 筆記試験を受けて、仮免許(Learner’s Permit)を取得する。
- 仮免許で練習する。
- 実技試験を受ける。
州によって多少の違いはありますが、上記の流れでアメリカの免許証を取ることができます。
アメリカの場合、仮免許を取得すると、助手席に座る人が免許証を持っていれば一般道で練習できます。
免許・試験の申請方法
アメリカの免許証を発行する機関はDMV(Department of Motor Vehicles)です。
DMVのホームページを通して、試験や免許申請の予約をします。
州によってサイトが異なるので、ご自身の州で確認しましょう。
筆記試験は基本的に英語ですが、一部の州では多言語での受験も可能です。
筆記試験がない州でも、ドラッグやアルコールに関する簡単な試験が課される場合もあります。
実技試験は、自分の車または試験用レンタカーで行います。
これは州によって決められており、一部の州では個人車両(保険と登録証)が必要な場合もあります。
渡米直後でまだ車を持っていない場合、知人やレンタカー会社から借りるなどして車を用意する必要があります。
アメリカでの車免許の筆記試験(Learner’s Permit)について
交通ルールや標識の基本を理解しているかを確認するための試験です。
通常は16〜18歳の初回免許取得者や、外国人がアメリカで初めて免許を取る場合に受験します。
試験内容も合格基準も、州によって異なります。
試験内容
マサチューセッツ州の試験内容を例にとってみてみましょう。
- 問題数:25問前後
- 合格基準:72-80%以上
- 出題形式:4択のマーク式
- 内容:交通標識の意味(STOP、YIELD、SCHOOL ZONEなど)、交通ルール(右折・左折の優先順位、スクールバス対応など)、飲酒運転に関するルール(BACの上限など)、基本的な運転マナーや事故対応など。
日本語に対応している州
基本的に英語ですが、一部の州では多言語での受験も可能ですが、以下のような一部の州は日本語を選択できます。
- カリフォルニア州(DMV指定の言語に日本語あり)
- ニューヨーク州(日本語のペーパー試験あり)
- マサチューセッツ州(日本語オプションあり、要予約)
- ワシントン州(書面またはPCで選択可能)
受験前にDMVのウェブサイトまたは予約時に言語選択が可能かを確認しましょう!
筆記試験の勉強に使えるアプリ・ツール
以下のアプリ・ツールは筆記試験対策として有用です。
- DMV Genie(無料 / 有料オプションあり)
- Driving-Tests.org(ウェブ)
- DMV公式マニュアル(Driver’s Manual)
DMV Genieでは、州別に模擬テストを受けることができ、実験の試験に近い形式で準備できます。
言語は英語のみですが、英語自体はシンプルです。
Driving-Tests.orgでは、州別に公式マニュアルと模擬テストを提供しています。
セクションごとのクイズやフル模試が可能なのがメリットです。
英語だけですが、図解が多く、英語が苦手でも取り組みやすいのも特徴のひとつです。
DMV公式マニュアルは、各州DMVのウェブサイトからPDFでダウンロード可能です。
一部の州では、多言語対応しています(CA, MA, NYなどは日本語版あり)。
試験の出題元なので最も信頼性が高いのが特徴です。
合格率が低い州
以下は、筆記試験の合格率が特に低い州のランキングです(州・合格率)。
- ミズーリ州(38.6%)
- ミシシッピ州(40%)
- アリゾナ州(40%)
- フロリダ州(41.9%)
- カリフォルニア州(45%)
これらの州で試験を受ける方は、十分な準備をして下さいね!
アメリカの実技試験
多くの州で共通している基本的なテスト内容は以下の通りです。
- 車の準備確認:ウィンカー、ブレーキランプ、ホーンの確認など。
- パーキングテスト:縦列駐車(parallel parking)がよく出題。
- レーンチェンジ(安全確認・ミラー確認をしながらレーン変更)
- 一時停止(STOPサインでの完全停止が重視される)
- Uターン、3点ターン(限られたスペースでの方向転換)
- 信号・標識の遵守(赤信号での右折可否などアメリカ特有のルールも重要)
- 実際の路上走行
基本的には日本と同じですが、アメリカ特有のルールには注意しましょう。
試験は公道で行われ、採点方式は減点方式です(致命的ミスは即失格)。
所要時間は10-20分のところが多く、検定官は比較的フレンドリーです。
ニューヨーク州、メリーランド州、カリフォルニア州、ニュージャージー州は実技試験が難しいことで知られています。
必要書類
免許申請のために一般的に必要な書類は以下の通りです。
- 申請書
- 身分証明書類 (日本パスポート、米国ビザ、I-94)
- 社会保障番号(SSN)証明書類
- 居住証明書類
- 運転能力証明書類(日本の運転免許証+翻訳文書)
- その他書類
申請書は各州によって異なるので、予約時に確認して準備しておきましょう。
SSNが準備できない場合、「Letter of Ineligibility(別名:Denial letter)」が必要な場合があります。
これは社会保障庁(Social Security Administration:SSA)で入手できるので事前に準備しましょう。
住所証明書としては、ガス・電気・水道・電話料の請求書、住居の賃貸借契約書、銀行口座証明書などが使用できます。
住所証明書を2点必要とする場合があります。
配偶者の場合、住所証明するものを2点用意するのは難しいかもしれません。
この場合、銀行でジョイントアカウントを作ると住所証明の書類として使用できます!
運転能力証明書類は日本の運転免許証+翻訳文書が必要となります。
前にも述べたように、国際免許証は日本の運転免許証の翻訳文書です。
中には、国際免許証が翻訳文書として使用できないところもあります。
この場合、日本大使館が発行する「運転免許証抜粋証明」が必要になるので、事前に確認しましょう。
その他に、視力検査結果、アルコール・薬物講習受講証が必要となる場合もありますが、これらの取得方法はDMVに詳しく書いてあります。
難易度は低いので、指示に従えば問題ありません。
現地での手続き
DMVで予約した場合、到着時にチェックインをウェブ上から行います。
待ち時間は州によって異なります。
メリーランド州では10-20分前後でしたが、マサチューセッツ州では1時間待たされました。
必要な書類を提出し、証明写真を撮影(場合によっては視力検査)を行い、費用を払います。
費用は有効期間や州によって変わります。
窓口にもよりますが、書類を問題なく準備していれば、10-20分程度で終了します。
仮運転免許証を受け取れば手続きは終了です。
運転免許証は1-2週間で自宅住所へ郵送されます。
まとめ
日本とアメリカの運転免許証の違い、免許取得までの流れと必要書類、現地での手続きを解説しました。
免許証を取得するための試験や必要書類は州によって大きく違うので、渡米前に十分確認しておきましょう!
みなさんがスムーズに免許取得できますように!ではまた!