広大な国土を持つアメリカでは、車や鉄道に比べて航空機での移動が効率的であり、主要都市間を結ぶフライトも非常に充実しています。
しかし、航空会社によってサービス内容や料金、荷物の預け入れなどは大きく異なります。
日本の航空会社であればANAとJALがメインで、いずれもサービスが充実しており、選ぶ際に不安はないはずです。
しかし、アメリカには多くの航空会社があり、「航空会社、どれにすればいいのかな?」「どんな違いがあるのかな?」と考えている方も少なくはないでしょう!
今回は、主要なアメリカの航空会社の特徴や定時到着率、顧客満足度、安全性などについて解説していきます!
私の経験も少し書いているのでぜひ参考にして下さい。
アメリカの航空会社
アメリカの主要な航空会社と格安航空会社(LCC)は下の通りです。
これらの航空会社について、解説していきます。
ちなみに値段やランキング等については、エコノミークラスについて評価しています。
- デルタ航空(Delta Air Lines)
- アメリカン航空(American Airlines)
- ユナイテッド航空(United Airlines)
- サウスウエスト航空(Southwest Airlines)
- ジェットブルー(JetBlue)
- ハワイアン航空(Hawaiian Airlines)
- アラスカ航空
- 格安航空会社(LCC):Spirit Airlines、Frontier Airlines、Allegiant Air
デルタ航空(Delta Air Lines)
国内外で非常に多くのフライトを提供しており、顧客満足度が高く、サービスの安定性に定評があります。
遅延率も比較的低く、私個人としても大好きです。
本拠地はアトランタであるため、乗り換えが発生することがあるのがネックです。
座席の種類はエコノミー、コンフォートプラス、ファーストクラスがあり、平均価格帯は中~高めです。
アライアンス(航空連合)はSky Teamで大韓航空やエールフランスと同じです。日本の加盟社はありません。
デルタのクレジットカードはAmexが発行していて、初回ボーナスもかなり貰えるので、アメリカ在住の方にはオススメのクレジットカードのひとつです!
ちなみに、私の子供はデルタ航空の離陸前に、キャプテンにおいでおいでと言われ、コックピットに座るという貴重な経験をさせてもらいました。
アメリカン航空(American Airlines)
世界最大規模の航空会社で、乗客・便数ともに世界トップレベルです。
本拠地はダラス・フォートワースにあり、他のもアメリカ国内に複数のハブ空港があります。
アメリカン航空のハブ空港
- ダラス・フォートワース国際空港 (DFW)
- シャーロットダグラス国際空港(CLT)
- マイアミ国際空港(MIA)
- フィラデルフィア国際空港(PHL)
- フェニックススカイハーバー国際空港(PHX)
- ロナルドレーガンワシントンナショナル空港(DCA)
- シカゴオヘア国際空港(ORD)
- ロサンゼルス国際空港(LAX)
- ラガーディア空港(LGA)
- ジョンF.ケネディ国際空港(JFK)
アライアンスはoneworldで、他にはJALやBritish Airways、Alaska航空などがあります。
平均価格帯は中~高めです。
例えば国際線の日本からアメリカへの便(ニューヨーク、エコノミークラス)の場合、JALやANAは31-33万円程度ですが、アメリカン航空は約22万円と比較的安価に購入できます。
ユナイテッド航空(United Airlines)
中長距離フライトに強みがあるユナイテッド航空は、成田空港など国際線のハブが多いのが特徴です。
本拠地はシカゴにあり、他に国内のハブ空港としてデンバー、ヒューストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンDCがあります。
アライアンスはスターアライアンスで、ANAとコードシェア運航を行っています。
平均価格帯は中~高めです。
マイルの有効期限が無期限であり、マイルでANAのフライトも予約することができます。
個人的には、やはり全体的にサービスや食事などの質はデルタ航空に劣るかな、という印象です。
マイルが便利だから使っちゃうんですけどね。
ちなみにユナイテッド航空のカードはChaseから発行されており、非常に優秀なカードなので、アメリカ在住でユナイテッドを使おうかなという方はぜひ試してみて下さい。
アラスカ航空(Alaska Airlines)
シアトルを本拠地
アライアンスはアメリカ航空、JALと同じoneworldです。
JALマイレージバンクと提携しており、アラスカ航空を利用することでJALのフライトマイルを貯めることができます。
ハブ空港には、シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ポートランド(オレゴン州)、アンカレッジなどがあります。
平均価格帯は中程度。
私は乗ったことがありませんが、口コミをみるとサービスは値段相応の様子。
機内はかなり寒い様ですね!
受託荷物(預け入れ)は有料ですが、JALのステータスで預け入れが無料になる場合もあります。
サウスウエスト航空(Southwest Airlines)
ダラスを本拠地とするLCCです。
他社はハブ空港を利用しているのに対し、サウスウエスト航空は、高頻度運航でポイント・トゥ・ポイント(直行便)の路線をもっている点が違います。
つまり乗り継ぎを少なくすることにより料金を抑え、かつ手荷物のトラブルも抑えているのです。
手荷物預け入れは2つまで無料(国内線)というメリットあります。
この結果、機内持ち込み荷物も減り、機内混雑も避けれているのです。
特徴的なのは、座席はエコノミーのみで、座席の指定がなく、チェックインした順番で搭乗します。
座席指定は有料です。
LCCでは飲み物が有料である場合が多いですが、サウスウエスト航空は無料でコーヒーやジュースをもらえます。
他社と比べるとかなり特徴的ですね!
ジェットブルー(jetBlue)
True Blueという独自のマイレージプログラムがあり、他社とのアライアンスには参加していません。
座席の名称は特徴的で、Blue、Blue Extra、Mintの3クラスあり、それぞれエコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネスに相当します。
LCCですが、アメリカ人の体格を考慮して席を作っているため、日本の体格であれば席については小さいと感じることはないでしょう。
スピリット航空(Spirit Airlines)
フロリダ州を拠点とするLCCです。
2024年11月に経営破綻しました。
破産手続き中も運航を継続していますが、今後は運航便は30%程度減少すると考えられます。
航空会社ランキング
ここでは定時到着率、顧客満足度、サービス、安全性について、アメリカの航空会社のランキングを紹介します!
あくまでも私見ではなくデータに基づいていますのでご安心を!
定時到着率
- デルタ航空(83.5%)
- ユナイテッド航空(80.9%)
- アラスカ航空(79.3%)
- アメリカン航空(77.8%)
- サウスウエスト航空(77.8%)
CIRIUMという会社の2023年北アメリカ部門の定時到着率の1位はデルタ航空でした。
その後はユナイテッド航空、アラスカ航空と続き、アメリカン航空・サウスウエスト航空は同程度です。
日本のJALは80.9%、ANAが80.62%と考えると、デルタ航空とユナイテッド航空は非常に優秀ですね!
顧客満足度ランキング(エコノミー部門)
- サウスウエスト航空
- デルタ航空
- アレジアントエア
- アラスカ航空
- ジェットブルー
J.D Powerという会社の2023年北アメリカ部門の顧客満足度ランキング(エコノミー部門)ではサウスウエスト航空がダントツの1位でした。
その次にデルタ航空で、アレジアントエアとアラスカ航空、ジェットブルーが僅差で並んでいます。
アメリカン航空は6位でした。
ファーストクラス・ビジネスクラスはデルタ航空がどちらも1位でした。
世界の中でのアメリカの航空会社のサービス
アメリカの航空会社のサービスは、世界の航空会社と比較してどれくらいなのでしょうか?
Skytraxという会社は、世界の航空会社をランキング化しています。
- Qatar Airways
- Singapore Airlines
- Emirates
- ANA All Nippon Airways
- Cathay Pacific Airways
- Japan Airlines
- Turkish Airlines
- EVA Air
- Air France
- Swiss International Air Lines
- Korean Air
- Hainan Airlines
- British Airways
- Fiji Airways
- Iberia
- Vistara
- Virgin Atlantic
- Lufthansa
- Etihad Airways
- Saudia
- Delta Air Lines
- Air New Zealand
- Finnair
- Qantas Airways
- Oman Air
- KLM Royal Dutch Airlines
- Bangkok Airways
- Austrian Airlines
- Air Canada
- AirAsia
日本のANAやJALは堂々の10位以内ですね!
アメリカの航空会社としては、唯一30位以内に入っているのがDelta Air Linesです。
その次には42位にUnited Airlines、60位にAlaska Airlines、65位にjetBlue Airways、78位にAmerican Airlines、93位にSouthwest Airlines、99位にHawaiian Airlinesで、アメリカの航空会社は世界的にみて、あまり評価はされていないようです。
これは個人的な印象と同じで、Deltaのサービスは比較的、日本の航空会社に近いものがありますが、その他は…といった感じですね。
世界の中でのアメリカの航空会社の安全性
世界の航空会社の安全性について、AirlineRatings.comがランキング化しています。
日本の航空会社はANAが6位、JALが19位。
アメリカの航空会社はアラスカ航空が9位、ハワイアン航空が12位、アメリカン航空が13位、デルタ航空が22位、ユナイテッド航空が23位となっています。
いずれの航空会社も評価は7点中7点であり、これらの数値は日本の航空会社と同等です。
ということで、これらの大手の安全性については問題ないでしょう!
ちなみにLCCのランキングでは、フロンティア航空が6位、サウスウエスト航空が9位、ジェットブルーが17位という結果でした。
受託荷物(預け入れ)について
受託荷物は旅行のプランを考える上で非常に重要です。
国際線・国内線それぞれの受託荷物(2025年1月現在)についてまとめたのでぜひ参考にして下さい!
参考のため、日本のANA・JALも記載しています。
国際線
- ANA:縦+横+高さの合計が203cm以下で23kg 以下 / 2個まで無料
- JAL:縦+横+高さの合計が158cm以下で23kg 以下 / 2個まで無料
- デルタ航空:縦+横+高さの合計が158cm以下で23kg 以下 / 2個まで無料
- ユナイテッド航空:縦+横+高さの合計が157cm以下で23kg 以下 / 2個まで無料
- アメリカン航空:縦+横+高さの合計が157cm以下で23kg 以下/1個まで無料
- ハワイアン航空:縦+横+高さの合計が157cm以下で23kg 以下 / 2個まで無料
国内線
Southwest Airlines:2つまで無料
- デルタ航空:1つ目30ドル、2つ目40ドル
- アメリカン航空:1つ目30ドル、2つ目40ドル、3つ目150ドル
- ユナイテッド航空:1つ目35ドル、2つ目45ドル
- アラスカ航空:1つ目30ドル、2つ目40ドル、3つ目100ドル
- ハワイアン航空:1つ目30ドル、3つ目40ドル、3つ目100ドル
- サウスウエスト航空:2つまで無料、3つ目75ドル
- フロンティア航空:1つ目79ドル、2つ目89ドル、3つ目95ドル
受託荷物はクレジットカードの特典、航空券、各航空会社の会員ステータス等によって大きく変わります。
今回はいずれの特典もないという状態で比較していますが、よく使う航空会社があればカードは作った方がお得なことが多いですね!
まとめ
アメリカの航空会社について解説しました。
価格が中~高ではありますが、デルタ航空が定時到着率やサービスの面、安全性など、あらゆる面で優れているので、お仕事や金銭的な余裕がある場合はデルタ航空が良いかもしれませんね。
サウスウエスト航空はLCCですが、定時到着率や顧客満足度も良いため、低予算の場合はサウスウエスト航空は選択肢のひとつになりますね。
それぞれの航空会社の目的地やハブ空港、マイルなども違うため、用途に合わせて使い分けてみて下さい。
ぜひこの記事を、今後の航空会社選びの参考にしてみて下さい!