帰国や他国へ転勤する場合、アメリカで使用しているクレジットカードや銀行、アプリをそのまま使いたい方も多いと思います。
クレジットカード会社や銀行、一部のアプリは2段階認証のためにアメリカの電話番号（SMS）を必要とする場合があります。
日本や他国の番号では認証コードを受け取ることはできないので、何らかの方法でアメリカの電話番号を維持する必要があります。
以前の記事でも紹介しましたが、アメリカにはMint MobileやTelloなどの格安SIMがあり、これらを継続することで、低コストでアメリカの電話番号を維持することができます。
ただし、長期間で使用する場合、コストも馬鹿にならないため、無料の代替手段があればそちらを使いたいですよね？
アメリカで生活を始めるにあたり、携帯電話の契約は重要なステップです。渡米前に携帯電話はどうしようかな、このまま日本の契約でいこうかな、アメリカではどうやって契約すればいいのかな、と思う方も少なくないと思います。今回は、携帯電話に関[…]
Google Voice（グーグル・ボイス）は、アメリカの電話番号を無料で取得・維持できるサービスで、アメリカ国外に住んでいても利用を継続できます。
特に、アメリカのクレジットカードや銀行の2段階認証対策として、非常に便利です。
今回はこのGoogle Voiceの登録方法、使用方法、注意点などについて解説していきます。
Google Voiceとは？
Googleが提供する電話サービスで、アメリカの電話番号を無料で（新規）取得できます。
テキストメッセージ（SMS）も同様に新しい番号で受信することができます。
年会費や維持費は無料で、番号は定期的に使用すれば失効せず、長期的に保持することができます。
音声通話も可能で、インターネット経由（Wi-Fi/データ回線）で行います。
留守番電話の機能もあり、アプリやウェブ上でボイスメッセージの受信や文字起こしを行うことができます。
複数デバイスに対応しており、スマートフォン・タブレット・PCなど、複数端末で利用可能です。
注意が必要なのは、Google Voiceの登録（認証）の際にアメリカの電話番号が必要です！
アメリカから出国予定の方は、アメリカに滞在中に作成した方がベターです。
アメリカの電話番号を持っていない人は、友人・知人等に初回だけ依頼する必要があります。
どんな人にGoogle Voiceは必要なのか？
Google Voiceは以下の人に役立ちます。
- アメリカ国外へ移るが、アメリカの電話番号を継続して利用したい場合
- アメリカに滞在し、日本のキャリアを維持しつつアメリカの電話番号を持ちたい場合
1つめは前述の通りで、アメリカ国外でアメリカのクレジットカードや銀行の2段階認証に使用したい場合、Google Voiceは非常に便利です。
2つめについてですが、アメリカに滞在し、日本のキャリア（特にソフトバンクのアメリカ放題）を継続している場合です。
つまり、電話・通信機能は問題ないが、アメリカの電話番号をもっていない場合です。
この場合、格安キャリアと契約する方法もありますが、通信容量が不要であれば（Wi-Fiなどの通信環境が整っていれば）、格安キャリアを契約せず、Google Voiceを使用するだけでアメリアの電話番号を取得・維持できるので、キャリアとの契約は不要になります。
ただし、登録の際にアメリカの電話番号が必要になるので、友人・知人等に依頼する必要があります。
Google Voiceの登録方法
Google Voiceを登録する場合、まずGoogleアカウントが必要です。
Google Voiceにアクセスします。
スマートフォン・タブレット・PCのいずれでも可能ですが、私がPCで行った際、上手く登録できなかったので、個人的にはGoogle Voiceのアプリをダウンロードして、モバイルデバイスで登録する方が良いかと思います。
手順についてはいずれのデバイスでも同じです。
まず最初に電話番号を選択します。
ここでは電話番号を探すために、都市または市外局番（エリアコード）を指定します。
近くの地域でも全然関係ない地域でも、特に関係ありません。
Google Voiceの番号は、番号の市外局番（エリアコード）だけが異なるだけで、機能・用途に大きな影響を与えません。
ちなみにエリアコードは、ニューヨーク（347/646/917）、サンフランシスコ（415/628）、ロサンゼルス（424）、ボストン（617）などです。
エリアコードを入力すると、候補の電話番号が提示されるので、その中から好きな番号を指定します。
この後、選択した電話番号をアクティベートするために、アメリカの電話番号での認証が必要になります。
アメリカの電話番号を入力し、送られてきたコード（ワンタイムパスワード）を入力すれば完了です。
初期設定ではリンク元の電話に転送されるので、設定からリンク解除すれば単体で使えます。
手順としては非常に簡単です！
注意点・制限事項
前述しましたが、登録・認証にアメリカ国内のSMS受信可能な番号が1回必要です。
日本の電話番号では認証コードを受信できません。
日本のApp Storeでは対応していないので、アメリカのApple ID/Googleアカウントでアプリを取得する必要があります。
稀に一部のサービス（特定銀行など）では、SMS受信に制限がある場合もあります。
キャリアの電話番号を持っているうちに機能するかどうかまず試してみましょう。
90日間（約3ヶ月）まったく使用していない場合、番号が回収（削除）される可能性があります。
「使用」とは、電話をかける（受ける）、SMSを送信する（受信する）、ボイスメールを確認する、アプリで何かしらのアクションを起こす。
実際に番号が回収される前には、メールなどで警告通知が届くので、急に消えることはありません。
現在の電話番号をGoogle Voiceに移行できる？
現在お持ちの電話番号をそのままGoogle Voiceへ移行して使用したい方もいるかと思います。
結論から言うとそれは可能ですが、移行のためには少し条件と注意点があります。
また、この場合無料ではなく、手数料20ドルかかります。
前提条件として、現在の番号がアメリカ国内のモバイル番号でなければなりません。
固定電話やVoIP番号（Voice over Internet Protocol：インターネット回線を使って通話を行うための番号）などの場合は移行できません。
電話番号の移行は、ログイン後にホームページの「アカウント画面＞電話番号を Google Voice に移行」から登録できます（またはこちら）。
まず番号をGoogle Voiceに移行できるか（対応キャリアか）確認しましょう。
次に、以下の情報をキャリアから確認しておきましょう。
- アカウント番号
- PINコード
- 登録者名・住所
上記のページから、
- 移行したい番号を入力・確認
- Google Voiceの使用条件に同意
- 20ドル支払い（クレジットカード）
- アカウント情報入力（元キャリアのアカウント番号、PIN、名前、住所など）
- 確認→送信
という流れで完了します。
通常、1-2営業日で完了し、完了後はGoogle Voiceでその番号が使えるようになります。
移行後はSIMでは使えなく、Wi-Fiまたはデータ通信専用になります。
番号をGoogle Voiceに移した時点で、元キャリアとの契約も終了になるので、違約金に注意しましょう。
通話は無料？
Google Voiceの通話については、基本的にLINEやSkypeのように「データ通信（Wi-Fiやモバイルデータ）を使った通話」で無料ですが、有料の場合もあります。
- アメリカ国内の電話番号に通話：無料
- Google Voice同士：無料（国際電話であっても）
- 国際電話（日本や他国に通話）：有料（国によって料金は異なり、通話料金から確認できます。例：日本の固定電話に 1分あたり ¥2〜¥3程度と格安）
つまり、Google Voice以外の国際電話のみ有料ということです。
電話料金はアプリまたはウェブサイト内で請求されます。
上記の有料通話は、アメリカにいる場合でも日本にいる場合でも同じ扱いになります。
つまり、日本に滞在している場合でも、アメリカへ通話する場合は無料、日本国内へかける場合は有料になります。
注意しなければならないのは、日本からGoogle Voiceの電話番号へかける場合は国際電話扱いになるので、高額通話料が発生する可能性があります。
まとめ
Google Voiceの登録方法、使用方法、注意点などについて解説しました。
Google Voiceはアメリカ国外へ引越しする方や、アメリカ国内へ滞在してアメリカの電話番号が欲しい方に非常な便利なアプリです。
是非試してみて下さい！
