ワシントンDCはアメリカの首都であり、政治と歴史の中心地です。
ワシントンDCには訪れるべき歴史的建造物や博物館・美術館がたくさんあります。
ワシントンDC観光を「建造物」と「博物館・美術館」という2つのテーマに分け、今回は歴史的建造物にフォーカスし、見学の方法や見どころ、マメ知識などを解説していきます。
私の好みでいくつかピックアップしてみました!
- 1 地図
- 2 ホワイトハウス(White House)
- 3 アメリカ議会議事堂(US Capitol)
- 4 最高裁判所(Supreme Court)
- 5 ワシントン記念碑(Washington Monument)
- 6 リンカーン記念館(Lincoln Memorial)
- 7 ジェファーソン記念館(Thomas Jefferson Memorial)
- 8 第二次世界大戦記念碑(World War II monument)
- 9 海兵隊戦争記念碑:硫黄島記念碑(Marine Corps War Memorial)
- 10 ワシントン大聖堂(Washington National Cathedral)
- 11 その他
- 12 まとめ
地図
今回ピックアップした歴史的建造物は
- ホワイトハウス(White House)
- アメリカ議会議事堂(US Capitol)
- 最高裁判所(Supreme Court)
- ワシントン記念碑(Washington Monument)
- リンカーン記念館(Lincoln Memorial)
- ジェファーソン記念館(Thomas Jefferson Memorial)
- 第二次世界大戦記念碑(World War II monument)
- 海兵隊戦争記念碑(Marine Corps War Memorial)
- ワシントン大聖堂(Washington National Cathedral)
です。
位置関係はこんな感じになっています。
海兵隊戦争記念碑とワシントン大聖堂はナショナルモール(ワシントン記念碑あたり)から離れていて、少し観光しにくくはなっていますが、海兵隊戦争記念碑はメトロ、ワシントン大聖堂はバスでアクセスできます。
ナショナルモール内は、徒歩・自転車・バス等を組み合わせれば簡単に移動できます。
徒歩のみでも移動可能ですが、少し歩きます。
ホワイトハウス(White House)
ご存じの通り、ホワイトハウスはアメリカ合衆国大統領の官邸です。
初代大統領のジョージ・ワシントン以外の歴代大統領がこれまで住んでいます。
というのも、ジョージ・ワシントンから築き始め、2代目から住むことができたのです。
実は、ホワイトハウスは昔は白くなかったんですよね。
イギリスとの独立戦争の際、イギリスの焼き討ちにあっています。
その後再建された際に、壁を白くして市民に認知されるようになってから、現在まで白い壁が続いているのです。
このホワイトハウス、実は見学ができます。
見学の予約はホワイトハウスのホームページからではなく、アメリカの国会議員にツアーを依頼するのです。
私の場合はJamie Raskinという方にコンタクトを取り、そこからツアーを予約しました。
この議員の方のホームページはこちらで、「D.C. Tour Request」からWhite Houseを選びます。
見学可能なのは月曜~土曜で、日曜は見学できません。
予約には1-3週間程度かかるので、余裕をもって予約しましょう。
ちなみにツアー当日は、持ち込めないものがあったり、入り口で厳重なチェックがあること、パスポートが必要など、いくつか注意するべきことがあるので、送られてくる説明をよく読みましょう!
普段できない体験なので、DCに旅行の際にはぜひチャレンジしてみて下さい!
ちなみに、クリスマス時期(サンクスギビング以降)は、クリスマスの装飾がとても綺麗なので、この時期もオススメです!
アメリカ議会議事堂(US Capitol)
アメリカ議会議事堂(Capitol)は、ナショナルモールの東に位置する、アメリカ合衆国議会(上院と下院)の本拠地となる建物です。
アメリカの三権分立を象徴する建築物で、美しいネオクラシック様式のデザインで知られています。
Capitol見学はホームページから予約できます。
必要項目を入力して、日時を選択すれば予約は完了です。
確認PDFがダウンロードできるので、印刷して持参すれば見学できます。
ちなみに、見学可能なのは月曜~土曜までで、日曜は見学できません。
完成は1800年とされていますが、まだ建設途中でした。
未完成の中で初めて議会が開かれ、あちこちに建設資材が転がっていたとか。
しかし、ホワイトハウスと同様に、Capitolも独立戦争時(1814年)にイギリス軍に焼き払われています。
最終的な完成は1866年とされています。
Capitolの中には、周辺の政府機関をつなぐ秘密の地下トンネルがあり、議員が寒い冬や雨の日に移動に使っています。
最高裁判所(Supreme Court)
最高裁判所は、アメリカ合衆国の司法権を担う最高機関であり、連邦政府の三権分立の中の「司法」を象徴する存在です。
Capitolの近くに位置し、ローマ神殿風の壮大なデザインです
正面にはEqual Justice Under Law「法律の統治の下に公平な正義を提供する」という碑文が刻まれています。
アメリカ最高裁判所は歴史を通じて、アメリカの政治・社会に大きな影響を与える判決を数多く下してきました。
そのひとつに、アメリカ合衆国 vs ニクソン大統領(1974年)があります。
この裁判は、ウォーターゲート事件に関係します。
ウォーターゲート事件とは、1972年の大統領選挙戦の最中に、何者かが野党でだった民主党本部が入ったワシントンDCのウォーターゲート・ビルに盗聴器を仕掛けようと侵入しましたが、警備員に発見され警察に逮捕された事件です。
ニクソン大統領は、ウォーターゲート事件への関与を疑われ、テープ録音の提出を拒否しました。
この事件は「大統領の特権」と司法の権限が争点でした。
この判決により、最終的にニクソンは辞任に追い込まれたのです。
見学は可能ですが、月曜~金曜で、土日は見学できないのでご注意を!
ワシントン記念碑(Washington Monument)
DCの象徴のひとつであるワシントン記念碑は、アメリカ建国の父であり初代大統領であるジョージ・ワシントンを称えるために建てられた記念碑です。
堂々としたオベリスク(小さく先がとがった柱)は、アメリカの歴史と自由の象徴であり、観光客にとって必見のスポットです。
完成は1884年(正式公開は1888年)で、高さは555フィート(約169メートル)であり、完成当時は世界で最も高い建造物でした(現在でも石造りの建物としては世界最高)。
1848年に建設が始まりましたが、資金不足や南北戦争の影響で途中で中断されました。
そのため、記念碑の途中から石材の色が異なっているのが分かります。
ジョージ・ワシントンに敬意を表して建てられた記念碑ですが、彼自身は謙虚な人物で、過度に自分を称えることを好みませんでした。
そのため、建設のアイデアは彼の死後になってから具体化しました。
ジョージ・ワシントンの有名な言葉としては
“Liberty, when it begins to take root, is a plant of rapid growth”「自由は根を張り始めると急速に成長する植物である。」
というものがあります。
ワシントンモニュメントも無料チケット(予約手数料として1人1ドルかかる)を予約して、頂上へ行くことができます。
ガラス窓からのパノラマビューは一見の価値ありです!
予約はこちらのサイトからできます。
電話番号の入力が必要ですが、特にテキストメッセージでの電話番号の確認はありませんでした。
リンカーン記念館(Lincoln Memorial)
歴代大統領の中で、今でも国民的英雄として圧倒的な支持を得ているのは、第16代大統領エイブラハム・リンカーンです。
そのリンカーン大統領の偉業を称えて建てられたのがリンカーン記念館です。
古代ギリシアの神殿を思わせる記念館の中には、椅子にどっしりと腰かけ、気難しい顔で凝視しているリンカーンの姿があります。
リンカーンの偉業としては、奴隷制の廃止、南北戦争の勝利、国の再統一ですね!
しかし残念ながらリンカーンは南北戦争の終わったわずか5日後に暗殺されてしまいます。
暗殺の場所はフォード劇場で、犯人はジョン・ウィルクス・ブースという有名な俳優であり、南部支持者でした。
フォード劇場は現在、リンカーン暗殺事件の歴史的な現場として保存され、一般公開されています。
リンカーンが暗殺されたボックス席が再現されており、見学料は3.5ドルです。
リンカーン記念館から比較的近いので、あわせて見学すると感慨深いですよ!
リンカーン記念館を支える柱は36本あります。
この36という数字は、リンカーンの死亡当時にアメリカ合衆国に加盟していた州の数を表しています。
その後加盟した48の州の名前が天井に、最後に加わったアラスカ州とハワイ州の名前は会談前のテラス部分に埋め込まれています。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King Jr.)の有名な「I Have a Dream」演説はこのリンカーン記念館の前で行われました。
キング牧師がリンカーン記念館を舞台に選んだのは、エイブラハム・リンカーンが「奴隷解放宣言」を発表し、アメリカの自由と平等の理念を象徴する人物だったからです。
ジェファーソン記念館(Thomas Jefferson Memorial)
アメリカ建国の父の一人であり、独立宣言の起草者、そして第3代大統領であるトーマス・ジェファーソンを称えるために建てられました。
特に桜の季節には美しい景観が楽しめる人気スポットです。
ジェファーソン記念館周辺の桜は、1912年に日本から贈られたもので、DCの象徴となっています。
DCでは毎年Cherry Blossom Marathonが3月に開催され、日本の国旗も掲げられます。
ジェファーソン記念館の建設時に、実は桜の一部を伐採する必要がありました。
しかし、地元の女性たちの桜を守るという抗議運動があり、結果として桜の木を大切に保存する計画が練られ、現在の美しい景観が維持されています。
記念館はジェファーソンの生誕200年にあわせて1943年に完成されました。
ドームの高さは約39メートルで、記念館の中には約5.8メートルのジェファーソンのブロンズ像があります。
内壁には、「すべての人間は平等に創られている(All men are created equal)」など、ジェファーソンの名言や独立宣言の一節が刻まれています。
夜はライトアップもされているので、日中とは違うロマンチックな雰囲気を味わいたい方は、夜に行ってみて下さい!
第二次世界大戦記念碑(World War II monument)
第二次世界大戦で戦った全てのアメリカ人を称えるために建てられた記念碑です。
ワシントン記念碑とリンカーン記念館の間に位置しています。
中央の噴水は平和と希望を表現し、56の柱(下の写真の小さな柱)は 第二次世界大戦当時の48州、7つの海外領土、ワシントンDCを表現し、2つの凱旋門(下の写真の大きな門)は「太平洋戦線」と「大西洋戦線」を象徴しています。
この記念碑の近くには青銅レリーフと自由の壁も観光のポイントです。
青銅レリーフには戦争中の出来事が描かれ、17枚が展示されています。
自由の壁には4048個の金色の星が設置され、それぞれが約100人の犠牲者を象徴しています。
この壁の前には「自由には代償がある」という言葉が刻まれています。
海兵隊戦争記念碑:硫黄島記念碑(Marine Corps War Memorial)
第二次世界大戦(太平洋戦争)中、アメリカ軍は日本に侵攻し、硫黄島も戦地となります。
摺鉢山(スリバチヤマ)を中心に、約1か月の激戦が繰り広げられ、この小さい島で最終的には日米あわせて約49000人の戦死傷者が出ます。
最終的にはアメリカ軍が勝利し、摺鉢山にアメリカ国旗が掲げられ、取材していたカメラマンはその瞬間を撮影します。
その写真はアメリカのニュースに掲載され、アメリカ国民に強い感動を与え、戦争中の士気を高める象徴となりました。
また、写真は翌年の1945年にピュリッツァー賞を受賞しました。
この写真が元となり、アメリカ海兵隊の全ての戦闘行為に従事した兵士たちを称えるために、この像が建てられたのです。
銅像だけで高さは9.7mあり、かなりの迫力です!
ということでこちらも興味があればどうぞ!
硫黄島からの手紙(渡辺 謙,二宮和也,伊原剛志)に関する情報をこちらでご覧になれます。…
ワシントン大聖堂(Washington National Cathedral)
正式名称は「セント・ピーター&セント・ポール大聖堂」で、アメリカ合衆国で最も有名な教会の一つです。
教会建築としては国内第2位、世界第6位の規模を誇ります。
国教会(エピスコパル教会)に属していますが、宗派を問わず広く訪問者に開かれています。
宗教的な意味だけでなく、文化・歴史的な観点からも重要な場所です。
歴代大統領のうち、4人の葬儀がこの聖堂で行われ、その他にもヘレン・ケラー、サリバン先生、第28第大統領ウィルソンもここに眠っています。
入場料は無料です。
200枚の美しいステンドグラス窓があり、その中でも「宇宙窓(Space Window)」が有名です。この窓には、アポロ11号の宇宙飛行士が持ち帰った月の石が埋め込まれています。
大聖堂で最もユニークな特徴の一つが、外壁にあるダース・ベイダーのガーゴイルです。
ぜひ探してみて下さい!
その他
ワシントンDCにはその他にもたくさん観光する場所があります!
いくつか紹介しますね!
- ベトナム戦争記念碑
- フランクリン・D・ルーズベルト記念公園(ルーズベルトやエレノア夫人の銅像を見学できる)
- フォード劇場(リンカーン暗殺事件の歴史的現場を訪れることができる)
- 国立公文書館(アメリカ独立宣言や憲法を見ることができる)
- ケネディセンター(巨大な総合芸術センターで、ミュージカルや音楽など鑑賞できる)
- 全米日系米国人記念碑(日系人強制収容の歴史を学べる)
- アーリントン国立墓地(戦死した兵士や国民的英雄などが埋葬されている)
- ジョン・F・ケネディの墓(アーリントンハウスの近くにあります)
まとめ
長くなっちゃいました!
ワシントンDCにはたくさんの歴史的建造物があり、これらは現在の行政や司法に大きく関係しています。
またこれまでの歴史を振り返り、歴史的人物や戦ってきた兵士を称える建造物も多くあります。
一部の歴史的建造物は少し離れた場所にありますが、多くの建造物や、次回紹介する博物館・美術館はコンパクトにまとまっており、アクセスしやすいです。
ぜひワシントンDCに足を運んで、アメリカの歴史や現在を楽しんでみてはどうでしょうか!