アメリカ国内の引越しで州をまたぐ場合、州によって法律が大きく変わるため注意が必要です。
日本では必要のない手続きも、アメリカ国内での引越しでは必要となります。
必要な手続きを行わない場合、ペナルティが発生する場合もあるので、忘れないように行いましょう!
今回は、私の経験(マサチューセッツ州への引越し)を踏まえて、アメリカ国内の引越しで忘れずにやるべきこと、そして注意点を解説します。
概要
アメリカ国内の引越しでやるべきことは以下の通りです。
- 住所変更(郵便・クレジットカード・銀行)
- 保険の切り替え
- 運転免許証の更新
- 車両登録・プレートの返却
- 移民局(USCIS)への住所変更届
- 学校の転入手続き
あくまでこれは一例であり、個人によって大きく変わりますので、十分確認しましょう。
住所変更(郵便・クレジットカード・銀行)
まず簡単にオンラインでできるのは住所変更です。
郵便物に関する住所変更はUSPSの公式ホームページで行うことができます。
下の写真のとおり、「Change My Address」を選択して行います。
日付も指定できるので、引越し前に予め行うことができます。
手数料として約1ドルかかります。

住所変更とは関係ありませんが、右下にある「Informed Delivery」というシステムは非常に便利です。
これは配達日に、何の郵便が届くかというのをメール(写真つき)で知らせてくれるシステムです。
無料なので、一度登録して試してみる価値はあるかなと思います。
クレジットカードや銀行の住所変更(Mailing Address)もオンラインで簡単に行うことができます。
もちろん店舗でも行うことができるので、お好きな方法で忘れずに行いましょう。
保険の切り替え
アメリカの面白いところで、州によって法律が大きく異なります。
保険に関しても法律が異なるため、州をまたいで引っ越しする場合、保険自体も引越し先の州の法律に合わせて、保険を切り替える必要があります。
これは住宅保険、アンブレラ保険、自動車保険など、すべての保険にあてはまります。
保険の切り替えには少し時間がかかるので、引越し先の住所が決まり次第、保険会社に連絡するようにしましょう。
特に自動車保険に関しては、引越し先の州の車両保険に加入していない場合は、その州での車両登録ができないので、早めに行動する必要があります。
運転免許証の更新
同じ州内での引越しも住所変更する必要がありますが、州をまたぐ場合は、免許証自体が変わります。
免許証の更新は、引越し先の陸運局で行います。
ここではマサチューセッツ州を例にあげて説明します。
マサチューセッツ州の場合、Registory Motor Vehiclesで登録します(メリーランド州はMVAなど、少し名称が変わります)。
登録までの流れとしては、オンライン登録→予約→RMVで対面書類登録、という流れです。
マサチューセッツ州の場合、運転免許証にはREAL IDとStandardという選択肢があります。
REAL IDとは、一定のセキュリティ基準を満たした身分証明書(
2025年5月7日以降、18歳以上のすべての方は、米国内の
REAL IDがない場合は、国内線搭乗等で、パスポートなどの有効な身分証明書を提示する必要があります。
運転免許証にはいくつかの種類がありますが、non-commercialの普通乗用車はClass D、2輪はClass Mに該当します。
まずホームページから「Transfer your REAL or standard out-of-state driver’s or motorcycle license to Massachusetts」を選択します。
そして「Start application online」を選択し、必要事項を記入していきます。
記入後は、最寄りのRMVの予約を行います。
マサチューセッツ州(ボストン)の場合、このRMVがかなり混雑しており、予約を取るのもかなり難しい状況です。
毎日朝9時に空き状況が更新されるので、こまめにチェックして予約をしましょう。
ちなみに予約がない場合は受け付けてもらえません。
必要な書類は
- 前の州の運転免許証
- 申込書
- 住所を証明する書類
- パスポート(またはSSN)
- I-94
- Denial Letter、DS2019など(必要な場合)
- 手数料(現金またはクレジットカード)
などです。
これらは各州によって異なるので、事前によく確認しておきましょう。
予約日時にRMVへ向かいます。
予約のメールには早めに来るように記載がありますが、時間はそこまで気にされませんでした。
ボストンの場合はかなり混雑しているので、予約しているにも関わらず40-50分程度待たされました。
しかし、対面での書類提出からはかなり早く、10分程度で終了しました。
Feeは115ドルで、免許証は登録から1-2週間程度で自宅配送されました。
手続き終了後、運転免許証は回収されるので、必要であれば予め写真を撮っておきましょう。
車両登録・プレートの返却
州をまたいで引っ越しした場合、転居先の州で新たに車両登録をする必要があります。
車両登録は免許更新と同様に、陸運局で行います。
ここでもマサチューセッツ州を例に挙げて説明します。
必要書類は
- 申込書(Application for Registration & Title)
- MVU-29
- 現在の車両登録証(Title)
- 自動車保険カード
- 免許証
- 身分証明書(パスポート)
などです。
申込書は、一部保険会社に記入してもらう部分があります。
予め保険の契約を更新し、保険会社に依頼しましょう。
MVU-29という書類は、「購入の際に税金は前の州に納めましたよ」という証明になります。
ローンが残っている場合や車の所有権が自分以外にある場合はさらに書類が必要になるので確認しましょう。
マサチューセッツ州の場合、RMVの予約はなく、直接RMVに行きます。
私の場合、朝一番で行きましたが、待ち時間はほとんどなくスムーズに手続きは終わりました。
車両登録の費用は約130ドルでした。
プレートはその場でもらうので、持ち帰って自分で車に取り付けます。
手続き終了後7日以内に、車両点検を行います。
また、忘れてはならないのは、「ナンバープレートを前の州の陸運局に送らなければならない場合がある」ということです。
ニューヨーク州、フロリダ州、メリーランド州などはナンバープレートの返却が義務付けられており、返却しないまま保険を解約すると、州によっては罰金やペナルティが科される場合があるので注意しましょう!
移民局(USCIS)への住所変更届
2025年4月11日以降、アメリカにおける外国人登録義務等は厳格化されています。
アメリカ国内で引っ越した場合、転居後10日以内に米国市民権・移民局(USCIS)に住所変更届(Form AR-11)を提出する義務があります。
こちらも忘れずに提出しましょう!
在留届の記載事項変更
在留届とは、外国に3ヶ月以上滞在・定住する日本人に、管轄の日本の大使館・総領事館へ提出が定められている届け出です。
これは、海外で日本人が巻き込まれたことが危惧される緊急事態・事件・事故が発生したときに、大使館・総領事館が迅速に日本人の安否確認や支援、情報提供を行う場合に不可欠な資料となります。
ワシントンDC、メリーランド州、バージニア州から他州または米国外に転居する場合
引越し前の管轄する大使館・総領事館に「帰国・転出届」を提出
引越し後の管轄する大使館・総領事館に新たに在留届を提出
上記2つを提出する必要があるので注意しましょう!
学校の転入手続き
引越し先の住所が決まったら、学校の転入手続きを行います。
引っ越後でも可能だとは思いますが、学校に行く時期が遅くなってしまうので、引越し前にある程度進めておいた方が早く登校できます。
Public Schoolの場合、それぞれの地域のホームページがあるので、ホームページから生徒の登録を行います。
手順が分からない場合は問い合わせからでも問題ありません。
マサチューセッツ州の場合、まずはインターネット上で書類登録を行い、オンライン面談を引越し前に行いました。
引越し後に英語の能力テストを受け、手続きに2週間程度待ち、親子でオリエンテーション(学校見学)、登校といった流れでした。
メリーランド州の場合も、書類提出して、英語能力テスト、登校という流れでしたが、オリエンテーションなどはなく、1週間も待たずして登校開始でした。
地域によってかなり違うのかもしれませんね。
登録する書類には、パスポート、住所証明、予防接種歴、親子関係の証明、成績表、健康診断の結果などがあります。
母子手帳や戸籍謄本の英訳を準備していると良いですね。
まとめ
アメリカ国内で引越しをする場合にやるべきこと、注意することについて解説しました。
今回はマサチューセッツ州を例にあげて説明しましたが、おおまかな流れはつかんでもらえたかなと思います。
ペナルティなどが科される場合もあるので、予め十分確認して、スムーズに引越しを終えるようにしましょう!